中小企業の社長の悩み

企業の最終目的は、『企業を存続させること』です。

企業は存続し続けることで、株主、顧客、社員、そして国を支え続けていくことができるのです。そのためにはまず、『利益を上げること』が必須なのはいうまでもありません。

多くの中小企業の社長にとって、この必須条件を満たす上で、大企業とは異なる共通の悩みが付きまといます。

どんな悩みがあったとしても、社長が確固たる経営理念をもって経営戦略を考え、目標を見据えて社員とともに進むことで、解決できるのです。

自分の信念に基づき、考えて企業を導くことは難しいことですが、ある意味中小企業の社長ほど自分の夢を自由に企業に反映して、挑戦できる人はいません。まさに社長業の醍醐味に尽きるといえるのではないでしょうか。

中小企業の社長の悩みベスト5

売上が伸びない。
優秀な社員がいない。
運転資金不足。
チームワークが悪い。
資金繰りができない。
コストがかかりすぎる。
社員とのコミュニケーションが取れない。
危機的状況にすぐに対応できない。
社員の意識や意欲の欠如。
商品開発力が低い。
社員の育成ができない。 etc

と社長の悩みは尽きません。

中小企業の場合、トップダウン構造になっていることが多く、あらゆる局面での重要な経営判断が社長に集中していることが多く、これが中小企業の業績は、経営者の能力によるといわれる所以です。

さらに中小企業の社長は、あらゆる局面で総合的な経営判断能力をもっている人が非常に少なく、商品の技術者であったり、販売専門であったりとスペシャリストタイプが多いのです。

なので、中小企業の社長の悩みが尽きないのは、当然の成り行きなのです。

そこで、中小企業の社長の悩みのベスト5はについて詳しく調べてみました。

1位…売り上げが伸びない
2位…コストがかかりすぎる
3位…資金繰りができない
4位…社員の採用、育成ができない
5位…戦略立案、組織マネジメントがない

■悩み1…売り上げが伸びない■

思うように業績が伸びない。売り上げが減少する。など売上の伸び悩みは中小企業の社長が抱える大きな悩みです。

(1) データを取って分析、改良

新しい顧客を探すか。新しい商品を開発すれば売上は上がりますが、それができるならばそもそも苦労はありません。そんな時は、客数 客単価 購入頻度、まずこの中で、どの部分が落ち込んでいるのかを把握しましょう。どの部分に落ち込みがあるのかがわかれば、そこに対しての改善を施さなければなりません。

常連客数減少、購入頻度減少なら、今までと変わったところに目をつけましょう。
営業担当や販売員、営業時間、商品やメニュー、同業他社etc常連さんが来なくなった理由を探ってみることで改善を計ります。

新規客数減少なら。
通行量が減ったのなら、もっと広範囲から誘導しなければなりません。通行量が変わらないときは、販促物(看板、ファザード のぼり、ホームページ、チラシ)を見直しが必要です。

客単価の減少なら
購入平均単価が落ちているのか、個数の減少か、安いものを買うような傾向なのか、代用品があるのか、を調べて商品の品揃えをします。

(2)“売り上げを伸ばす”から“利益を上げる”考え方にする

売り上げを伸ばすことが、企業の存続だと思っていませんか。企業を存続させることに大きな影響を与えるのは、あくまで利益の向上です。売り上げがいくらあっても利益がなければ、企業は存続できません。ならば、利益を向上させる方法を考えていけば良いのです。

例えば、人員の配置、コストカット、粗利の改善、採算の合わない商品・事業からの撤退、もちろん売り上げを伸ばすことも1つの方法です。

■悩み2…コストがかかりすぎる■

利益を上げるためにはコストを減らすことは重要なことです。
売り上げを上げることは難しいことですが、コストを下げることは意外と簡単なのです。
コストを把握して、その中から削減できる部分を探していけば良いのです。

まずは、コストを集計して それぞれのコストが事業の活動に貢献しているのかを調べてみましょう。ポイントは、周りにムリ、ムダ、ムラがないかどうかです。

コスト削減は、固定費の削減から実践しましょう。
ペーパーレス化 電話契約の見直し、郵送料の見直し、水道光熱費の無駄の削除
アウトソーシング化 旅費交通費の削減

コストの分析をしないで、闇雲にコスト削減を行っては、いけません。
特に誤ったコスト削減で業績が下降した場合、修復は非常に難しいものになります。

<コスト削減してはいけないこと>

① 社員のモチベーションがさがること
人数を減らして同じ仕事量をさせて人件費を削減するなどは、将来人材に苦しむことにつながります。

② 社長のやる気がなくなること
コスト削減は社長にとって、一大決心が必要です。そこには明快な理由と前向きな気持ちがなければなりません。社長の気持ちが沈んだままでは、コスト削減がかえって事業の足を引っ張ることになります。

③ 売上低下が予測されること
売る上げを作る費用、例えば広告費、販売促進費、営業マンの人件費などを削減するときは、慎重に行わなければなりません。

④ 商品の品質低下になること
単純にサービスや品質を落としてコストを削減すれば、商品の価値が落ちて客離れに直結してしまいます。

⑤ 信用を裏切ること
企業の信用は、人や品質などさまざまな要素で保たれています。これらのブランディング要素(顧客の心にイメージとして蓄積されていく企業価値)につながる経費削減は注意が必要です。

⑥ 法に反すること
脱税など法に反することはしてはいけません。

⑦ 削減理由が不明確こと
経費削減が明快なリスク回避であることを示さなければいかません。

■悩み3…資金繰り■

中小企業の社長は、企業活動を存続させるのに支障がでない資金を調達しつづけなければなりません。会社の損益がたとえ赤字になったとしても資金繰りさえなんとかなれば、会社は存続できます。その間に利益調達を考え直すことが可能になるのです。

資金が滞ったときは、自社の収益で資金を補うことが理想ですが、不足した場合は借り入れや増資で資金調達することになります。

<資金繰りが難しいときはどうすればいいのか>

① 中小企業にとって資金繰りは、損益より緊迫性のあるものです。しかし、社長の頭の中にだけ描かれているということはありませんか。しっかりとした“資金繰り表”を作ることが大切です。

② 仕入れ業者、取引業者に支払いを伸ばしてもらう。これにはお互い何かの時には助け合う信頼関係を日頃から構築していなければなりません。

③ お客様の入金を早めてもらう。これにも信頼関係を日頃から構築していなければなりません。

④ 金融機関からの借り入れを申し込みます。同時に顧問税理士に相談して」解決の糸口を探ることも忘れずに行います。

⑤ 銀行借り入れの返済猶予を検討します。しかし返済条件の見直しは、簡単に行ってはいけません。あくまでこれは資金繰りの最後の手段です。

■悩み4…社員の採用、育成■

中小企業の雇用は、日本全体の7割近くを担っています。労働市場は中小企業によって支えられているといっても過言ではありません。

でも、実際は、多くの中小企業の社長が採用、人材育成、登用に頭を悩ませます。
社員を育てていくには、まず大前提として社員に対して、愛情や成長を願う思いが必要です。

<社員と社長の間に気持ちに溝をつくらない>

どうしてそのようなことになってしまったのかを考えてみると、社長の社員に対してのコミュニケーションの取り方が一方的な場合が多くみうけられます。社員から仕事の話をされても最後まで聞かないで、一法的にまくし立てて、最後は「自分で考えろ!」と捨て台詞を吐くなどしていては、社員との距離感がどんどん離れていくものです。

「何かあったら報告しろ」ではなく自分から仕事の状況を聞き出すように努めることが大切です。意見を求められたときは「あなたならどうする?」と先に意見を聞き、「自分で考えろ!」ではなく社員と一緒に考えてみることです。

社員を変えたいと思うならば、まず社長が変わりましょう。中小企業の場合、社長が変わることに対しての影響は非常に大きなものです

<考え方や価値観を揃える>

10人いれば10人の考え方や価値観は異なります。一つの企業としてまとまって同じ方向に走っていかなければ、結果は出てきません。そのためには考え方や価値観をそろえなければならないのです。

ただ、仕事中だけの付き合いではなく、仕事外でも食事や飲み会など親睦会をもつことが、価値観を揃える近道なのです。価値観や考え方が揃えば仕事はスムーズに進み、結果として業績も良くなります。意識は能力より大きなパワーになるものです。
もしどんな時も、社長と同じ目線で考えて、ともにリスクを背負ってくれる社員がいればこんなに心強いことはありません。

<採用は人間性で>

先ほど価値観を合わせることで、能力を超える力になるといいましたが、採用でもここが崩れるとうまくいきません。中小企業の採用は、能力重視よりも人間性を最重視することが大切です。社長と人間性が合う人は、社長にとって育てやすい人なのです。例え能力がある人を採用しても人間性が合わないならば、その人は今以上に育たない場合が多いのです。

■悩み5…戦略立案、組織とマネジメント■

企業が長期的な成長をしていくことは容易ではありません。特に中小企業には様々な困難が立ちはだかります。これらの困難を乗り越えるためには、社長の戦略立案、それを実行できる組織マネジメントが、課題となります。

<戦略立案>

社長は、事業目標を社員に明確にしなければなりません。その事業目標は自社が競争に勝ち残れるものでないといけません。そのためには周囲の状況を分析して目標達成までの道筋を社員に納得させる必要があります。

目標達成の道筋を考えること、つまり戦略立案は、中小企業の社長にとって欠かせない仕事なのです。

<組織とマネジメント>

戦略立案を四苦八苦して考えたとしても実行するためには、組織編成とマネジメント体制が整っている必要があります。

社長は常に戦略をスムーズに実行できるように組織や仕組みを調整しなければなりません。つまり社内の命令指示系統の整理、新規業務の部門の立ち上げ、不要業務部門の縮小、廃止、統合など、効率的・効果的な組織を構成しなければなりません。

こうして出来上がった組織が適切に機能しているかを、チェックしたうえでマネジメントを行うのです。

中小企業の社長は悩みを改善していくことこそ夢の実現の近道

顧客を求めて新しい事業に挑戦するとき、社長は自分の夢を叶えるべく経営理念や経営目標や経営戦略を考えます。目標の達成や戦略の実行には企業組織を円滑にするマネジメントが必要です。社長は会社のリーダーである以上、悩みはつきものです。

お金や人などの経営資源の悩み、マネジメントの悩み、一つ一つの改善が、夢の実現へ近づく一歩一歩です。自分の夢を自由に企業に反映できること、それが社長業の醍醐味といえます。