経営者の条件に必要なもの

経営者の条件に必要なものは何でしょうか?

そもそも経営者って何でしょうか?
ウィキペディアによると「組織の経営について責任を持つ者のこと」とあります。禅問答のようですが、経営に責任を持つ者とはなんでしょうか?これらのことが解ると経営者の条件とはどのようなものなのか理解できると思います。

経営責任とは?

経営責任とは何でしょうか?
会社に何か不足のことが起こったときの責任は、経営者が背負うことになります。それが経営責任ということかもしれませんが、責任と取る以外に、もっと深い意味があります。

何よりも社員、顧客、取引先、株主、その他関係のある会社のためにも堅実に会社を運営することです。万が一、倒産となれば、社員の今の生活を奪うだけでなく、関係各位に多大な迷惑をかけることになります。

京セラの経営理念は、「全従業員の物心両面の幸せを追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」です。

この理念からも解るように、経営者の責任は、何よりもまず、社員を守り幸せにすることです。それができてこそ、人類、社会の進歩発展に貢献することができるのです。そのために、どのような経営をしていくかが大切です。

社員を守るために

社員を守るためには、赤字を出さない黒字が続く堅実な経営が必要です。盛和塾塾長である稲盛和夫氏が創設した京セラは、創業以来、50年以上赤字を出した事がない企業です。赤字を出さないために経営者に求められることは以下の通りです。

・研ぎ澄まされた判断力
・数字を見る力
・社員をまとめて同じ方向に向かわせる力

この3つのことが大切になります。

研ぎ澄まされた判断力

会社を経営する上での判断の基準は何でしょうか?
それは、人それぞれに基準は異なります。

直感で判断する
損得で判断する
過去の経験値で判断する
数字で判断する

など、判断の基準は様々です。そして、判断の基準が、ケースバイケースで異なる経営者も多々います。

京セラ名誉会長の稲盛氏は「人として何が正しいのか?」を判断の基準とするように説いています。

この教えは「自分だけが良ければいい」という判断ではなく、取引先や社員など、周りの人のことを考えるだけでなく、世間に対しても思いやりに満ちた「利他の心」で判断するということです。
※詳しくは「三方よしを経営に活かす」をご覧ください。

数字を見る力

「経営者たる者、数字を解らないで経営ができるか」というのを聞いたことはありませんか?
通常は、ひと月ごとの数字の動きを見て経営しています。その結果を基に、来月の改善策を考えます。これを見ずして経営を行うのは、計器を見ないで飛行機を操縦するのと同じです。どこへ飛び、どこに着陸するのか解らなくなってしまいます。

しかし、月次の決算が、翌月の半ばに出てくるようでは、経営の舵を取ることはできません。遅くとも月初には決算書を紐解いて先手を打たなければいけません。

社員をまとめて同じ方向に向かわせる力

社員の考え方がバラバラでは、力が分散してしまい、会社全体の力にはなりません。全員の力が同じ方向に向かって集結した時に、何倍もの力が生み出され大きな成果になります。

そのために、必要なのが事業の目的意義を掲げることです。何のために事業をしているのか、その目的は何なのか。これを浸透させるために経営者は、ことあるごとに何度も何度も社員に話をし、解ってもらうことが大切です。

目的意義は、私利私欲のものでは、社員は共感してくれません。社会性のある崇高なものを掲げ社員の共感を得ることで同じ方向に向かって進めることができます。

社員がやる気になる5つの条件

そもそも社員をやる気にさせることができるのか?
人にやる気を起こさせることは、不可能に近いものです。やる気とは自身の中から自発的に出てくるものだからです。盛和塾では「自然性」「可燃性」「不燃性」という人のタイプがあるというのがあります。「自然性の人」は、自らが燃え仕事に精を出す人。「可燃性の人」は、自然性の人の影響を受けて燃える人。「不燃性の人」は、何をしても燃えない人です。
「可燃性」「不燃性」のタイプが自発的にやる気を出させるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

自発性を引き出すには

・事業の目的意義を明確にする
・社員をパートナーとして認識する
・仕事の意義を理解させる
・社員を惚れさせる
・高いビジョンを掲げる

というようなことを行えば、社員は自発的にやる気を起こすようになります。

事業の目的意義を明確にする

なぜ、この事業をしているのか?
その目的と意義を社員と共有する必要があります。社員が、何となく仕事をして、働いた分だけ報酬がもらえるという意識であれば自発性は出てきません。自発性が出てこないと事業の業績を伸ばしたり、拡大することは難しくなります。

自発性を引き出すには、何のために事業をしているのかを具体的な内容を社員に語りかけ理解してもらうことが必要です。「俺たちは、こんなにすごい仕事をしているんだ。世の中の役に立っているんだ。」ということが理解できれば、同じ方向に意識が向き、事業は良い方向に進むようになります。

社員をパートナーとして認識する

社員を働かせるだけ働いて、利益を搾取するという考えでは、社員はついてきてくれません。現実問題として、社員側から経営陣を見た場合、経営陣は利益を搾取していると思っています。
だからこそ、経営者は、社員をパートナーとして迎え入れ、共に経営を担う仲間だということを認識してもらうことができれば、やる気になります。
パートナーとは、心の通じ合える、信頼できる仲間です。ですから、経営者と社員という縦の関係ではなく、一つの目的に向かって共に行動し、夢を実現していく同士の関係です。このような関係づくりができれば、会社は発展していきます。

仕事の意義を理解させる

仕事の意義を伝えることも大切です。

例えば、3Kといわれるようなきつい仕事でも、立派に社会の役に立っています。しかし、働いている社員は、そのように思っていません。「こんなきつい仕事はやっとれんな。」というくらいの意識で仕事をしています。これでは、自発的に仕事に取り組もうとはしません。
経営者が、どのように社会の役に立っている仕事なのかを説き、社員に自信を持たせることが必要です。社会に対しての貢献度を理解すれば、自発的に仕事に取り組むように意識が変わっていきます。

社員を惚れさせる

経営者は社員に惚れてもらうようにならなければいけません。そのためには、常に自己研鑚し、心を高めなければいけません。

平日なのに、接待と称してお客様とゴルフに行く、夜は早く仕事を終えて、接待に行くというようなことでは、社員はついてきてくれません。

率先垂範で仕事に取組み、社員を思いやり、問題が起きた時には責任を追うというような行動を取っていれば、「社長のためなら」と思うようになってくれます。そうすれば、自発性が芽生え一生懸命に働くようになってくれます。

高いビジョンを掲げる

社員がやる気になるには、大きなビジョンが必要です。「会社の将来は、業界で一番になる」「〇〇社よりも大きな会社になる」「日本だけではなく、世界に進出する会社になる」というような大きなビジョンを社員に示すことです。

今は、夢物語だけれども、そのビジョンを達成するために頑張ろうと説き、同時にビジョンが達成された時の姿を語り社員と共有することができれば、大きな力が生まれ、どんな障害も乗り越えられるようになります。

まとめ

経営者とは、経営に責任を持つ者のことですが、その内容は簡単なことではありません。社員、顧客、取引先、株主、その他関係のある会社に迷惑をかけずに堅実に会社を運営することです。
そのためには、社員の仕事に対する自発性を起こさせることです。

社員が自発的に考え行動するようになれば、会社は発展していきます。発展していけば社員の生活を守ることができます。また、雇用を促進し、税金を納め、社会に対しても貢献できる会社になっていきます。

経営者の条件とは、このように会社を育てることができることです。